東京高等裁判所 昭和25年(う)3335号 判決
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(判旨)原判決が証拠として被告人の検察官に対する供述調書並びに事件送致書を掲記していることは論旨の指摘するとおりであるところ、右事件送致書を調べてみるのに、右は司法警察員の単なる意見の記載であつて証拠能力のない書面であることはいうまでもないところであるが、前記被告人の検察官に対する供述調書は、右の事件送致記載の犯罪事実を引用しているのであるから、右の事件送致書は、前記証拠能力のある供述調書の内容を補足する趣旨に過ぎないこと明らかであり、従つて原判決がこれを証拠の部に掲げているのは、独立の証拠として挙示している趣旨ではないこと明らかであるから、原審がこれを判決に引用したからとて違法ではないこと勿論である(二七、三、二五最高裁第三小法廷判決参照)。そしてかくの如き場合における供述調書の証拠調の方法としては、これを朗読するほか、引用された書面については、刑訴法第三〇五条に準じてこれを朗読すれば足りるものと解すべきであるから、原審の証拠調の手続にはなんら違法の点はない。尤も原審第三回公判調書には、裁判官は、右事件送致書を証拠として取調べる旨の決定を言い渡し、検察官はこれを展示朗読した上裁判官に提出した旨の記載があるけれども、かくの如きは固より判決に影響を及ぼさないこと明らかな訴訟手続の法令違反に過ぎないものと解すべきである。